誤飲を防ぐ
医薬品・洗剤・たばこ・電池
注意して見ているだけでは防げない。置き場所を変える
この時期の誤飲は、そばで見ていても防げません。口に入れてから飲み込むまでが短く、気づいて止めるには間に合わないからです。見張る対策は成り立たないので、置き場所を変えるほうを先にします。
左は危険な例、右は安全な例です。
この月齢に事例が集まっているもの
| 防虫剤・芳香剤・カンフル入り外用薬 | 外用薬に含まれるカンフル(樟脳)による中毒が0歳11か月、ビーズ型の芳香消臭脱臭剤による気管支閉塞が0歳10か月で報告されています。押し入れの下段や玄関の低い位置にあります。 |
|---|---|
| 高吸水性樹脂(吸水ボール、ビーズ) | 飲み込んだあと体内で膨らみ、腸閉塞になります。事例は0歳11か月。経済産業省が販売を規制する対象にしました。 |
| ポプリ・飾り | ナツメグ入りポプリの誤食による中毒が0歳8か月で報告されています。飾りは手の届かない高さへ。 |
| 加熱式たばこ・紙巻きたばこ | スティックや吸い殻の誤飲。金属片を内蔵した加熱式たばこで消化管異物になった事例は0歳9か月と0歳11か月です。 |
| 包装フィルム・シール | 平たくて薄いものは、指でつまめるようになってから口に入ります。0歳7か月でプラスチック製シールが咽頭の異物になった事例があります。フィルムの付いた容器で遊ばせません。 |
| 化粧品・お酒 | 消費者庁が、0歳から始まる誤飲の対象として挙げています。低い位置のドレッサーや、床に置いた缶に手が届きます。 |
- すること:医薬品は、必ず鍵かロックのかかる場所に
消費者庁は、1メートル以上の高さや扉のある場所に置いていても、踏み台を使って取り出す例があるとして、複数の対策を組み合わせるよう求めています。1歳児が電子レンジの棚にあった保護者の薬を14錠誤飲して入院した事例があります。 - すること:洗剤・漂白剤を、シンク下から移す
0歳児が洗面所の棚の下にあったパック型(ジェルボール型)の液体洗剤を口にして、重症で入院した事例があります。食品に似た見た目の製品は、とくに手の届かない場所へ移します。 - しないこと:小さな磁石とボタン電池を、手の届くところに置かない
電池から流れた電流で、ふれている粘膜にアルカリ性の液体ができて組織を溶かします。磁石は複数個が腸壁をはさんでくっつきます。どちらも穴があきます。くわしくは4〜6か月の「何でも口に入れる時期の誤飲」に書きました。 - しないこと:缶やペットボトルを灰皿の代わりに使わない
吸い殻が浸かった水にはニコチンが溶け出し、液体になったニコチンは体に吸収されやすくなります。吸い殻はビニール袋に包んで密閉し、たばこと加熱式たばこのスティックは、目に触れない場所にしまいます。10か月児が加熱式たばこを誤飲し、金属のプレートが見つかった事例があります。 - しないこと:食べものの容器に、洗剤などを移し替えない
詰め替えた本人以外には、中身が伝わりません。ジュースの容器に入れた洗剤を、別の家族が子どもの手元に置いてしまいます。 - しないこと:ふたのないゴミ箱を、床に置かない
使用済みのおむつ、乾燥剤、吸水シート、電池の包装。捨てたものが、そのまま手の届く範囲にあります。 - しないこと:手指消毒剤を、手の届くところに置かない
携帯用の容器に詰め替えたアルコールジェルを30ml飲んで点滴を受けた2歳の事例があります。店の入口での噴霧でも事故が起きています。1〜2歳タブ「消毒剤・除菌剤」にまとめました。 - しないこと:来客や祖父母のかばんを、床に置いたままにしない
家の中は片づけても、持ち込まれたかばんの中は片づいていません。薬やのど飴が入っています。
飲み込んだかもしれないとき
自己判断で吐かせないでください。 吐いたものが気管に入ることがあります。 何を・どれくらい・いつ飲んだかを確認し、現物か容器を持って受診します。
判断に迷うときは、公益財団法人 日本中毒情報センターの「中毒110番」に電話で相談できます。 大阪 072-727-2499(24時間)、つくば 029-852-9999(9〜21時)。 たばこ専用の自動音声なら 072-726-9922(24時間)です。
ボタン電池・磁石を飲み込んだ可能性があるときは、症状がなくてもすぐに受診してください。
たばこについては、吐かせるよう書かれた資料もあります。 中毒情報センターは、吐いたものが気管に入る危険があるとして家庭で吐かせることを勧めておらず、 ニコチンが溶け出して吸収されやすくなるため水も牛乳も与えないとしています。 このサイトは、中毒情報センターの方針に合わせています。
🛍 グッズの選び方
PR- 戸棚のロックは開ける頻度に合わせて選びます。毎日開ける場所に固いロックをつけると使わなくなります。
- 冷蔵庫や引き出しには、扉の形に合った専用のロックを選びます。開き戸用は引き出しや冷蔵庫には効きません。
- ボタン電池は個別の仕切りがあるケースに入れ、使用済みも必ず回収します。使用済みでも、穴があく力は残っています。
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この項目の根拠
- Vol.561 家庭内での医薬品や洗剤の誤飲を防止しましょう!(消費者庁)(新しいタブで開きます)
5か月頃から物をつかめるようになった子どもは、何でも口に入れようとすること。子どもの目と手の届かない場所に保管し、鍵のかかる場所に保管すること。1メートル以上の高さがある場所や扉のある場所に保管していても、子どもが踏み台などを使用し取り出してしまうケースもあるため、複数の対策を組み合わせること。1歳児が電子レンジの棚にあった保護者の薬を14錠誤飲し入院した事例。0歳児が洗面所の棚下にあった洗濯用パック型液体洗剤を口にし重症で入院した事例。食品に似た見た目の製品には特に注意が必要であること。 - Vol.628 たばこ誤飲 - 加熱式たばこも要注意!(消費者庁)(新しいタブで開きます)
飲料の缶やペットボトルを灰皿代わりに使用することはやめること。ニコチンが溶け出した液体は身体に吸収されやすくなるため特に危険であること。吸い殻は直接捨てずにビニール袋などに包装して密閉するなど、子どもが容易に取り出せない工夫をすること。たばこを床やテーブルの上などに放置せず、子どもの目に触れない場所や手の届かない場所に保管すること。10か月児が加熱式たばこを誤飲し金属プレートを確認した事例。たばこが浸っていた液体を飲んだ場合や普段と違う様子がある場合は、何も飲ませず直ちに医療機関を受診すること。 - Injury Alert 傷害速報 誤飲・中毒関連事例(No.8 マニキュア除光液による中毒/No.63・121 加熱式タバコの誤飲/No.74 ビーズ型芳香消臭脱臭剤による気管支閉塞/No.82 カンフル(樟脳)による中毒/No.109 高吸水性樹脂球の誤飲/No.126 ナツメグ入りポプリの誤食)(日本小児科学会)(新しいタブで開きます)
カンフル(樟脳)による中毒が0歳11か月(No.82)、ビーズ型芳香消臭脱臭剤による気管支閉塞が0歳10か月(No.74)、高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞が0歳11か月(No.109)、ナツメグ入りポプリの誤食による中毒が0歳8か月(No.126)、加熱式タバコの誤飲が0歳9か月(No.63)と0歳11か月(No.121)で報告されていること。 - 傷害速報 No.55 プラスチック製シールによる咽頭異物(日本小児科学会・PDF)(新しいタブで開きます)
0歳7か月でプラスチック製シールによる咽頭異物が報告されていること。 - Vol.624 体の中で、くっつく「マグネットセット」、膨らむ「吸水樹脂ボール」の危険-誤飲事故防止のため販売規制へ(消費者庁)(新しいタブで開きます)
経済産業省において、吸水樹脂ボール(吸水性合成樹脂製玩具)の販売の法規制を実施するための作業が進められていること。吸水樹脂ボールは腸内で膨らみ腸閉塞などの重篤な症状を引き起こす可能性があること。 - たばこ 中毒事故が起こったら(公益財団法人 日本中毒情報センター)(新しいタブで開きます)
たばこの誤飲について、家庭で吐かせることは勧められておらず、吐物が気管に入ってしまうことがあり危険であること。たばこ葉からニコチンが水分に溶け出し体内に吸収されやすくなるため、牛乳も水も与えないこと。たばこ誤飲事故専用電話(365日24時間対応・情報提供料無料・自動音声応答による一般向け情報提供)072-726-9922。 - 子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック(消費者庁・PDF)(新しいタブで開きます)
飲んだものによって緊急性の高いものや吐かせてはいけないものがあること、基本的には吐かせずに同じものを病院に持参して受診すること、ボタン電池・磁石・鋭利な異物・洗剤は症状がなくても急いで受診すること、中毒110番の連絡先(大阪072-727-2499は24時間対応、つくば029-852-9999は9時〜21時対応)。