赤ちゃんとこどもの安全ノート › 4〜6か月

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アレルギー

心配だからと、離乳を遅らせてよいか

遅らせても予防効果の科学的根拠はない。ただし自己判断で早めるのも危険

食物アレルギーが心配で、離乳の開始を先延ばしにしたくなります。発達の目安がそろっても始めず、母乳やミルクだけを続ける、という形です。授乳・離乳の支援ガイドは、遅らせても食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないとして、生後5〜6か月頃から離乳を始めるよう情報提供を行うとしています。一方で、自己判断で早めることも勧められていません。

離乳の始め方の比較図。左は背もたれを倒したベビーチェアに座った赤ちゃんに、大人が心配そうな表情で哺乳瓶を口にあてがってミルクだけを与えていて、赤ちゃんは哺乳瓶ではなく、机の離れた位置に置かれた離乳食の器のほうへ手を伸ばして身を乗り出している。右は同じいすで、大人が離乳食用の小さなスプーンに1さじだけすくって赤ちゃんの口元に差し出し、赤ちゃんが自分から口を開けていて、大人はもう片方の手でノートに書きとめている 左は危険な例、右は安全な例です。
左:食べたがっているのに、ミルクだけを続ける/右:1さじずつ試して、記録する
  • しないこと:
    心配だからという理由で、離乳の開始を遅らせない
    遅らせることに予防効果があるという科学的根拠はありません。開始の判断は、心配の大きさではなく、発達の目安がそろったかどうかで決めます。
  • しないこと:
    予防のために、自己判断で早く食べさせない
    学会の提言は医師の管理のもとという条件付きです。すでにアレルギーが疑われる子に食べさせるのは、きわめて危険とされています。
  • すること:
    初めての食品は、昼のうちに1種類だけ、1さじから試す
    2種類を同時に始めると、どちらで症状が出たのかが分かりません。何を何日に初めて与えたかを書きとめておくと、受診したときに医師へ伝えられます。
  • すること:
    子どもに湿疹があるなら、離乳の進め方をかかりつけの小児科で相談する
    皮膚のバリア機能の低下は、食物アレルギーの発症リスクに影響する因子として挙げられています。ただし湿疹があっても、原因食物以外の摂取を遅らせる必要は基本的にありません。乳児期の早い時期に出た湿疹や重い湿疹では、アレルギーを専門にする医師の診療を受けることがすすめられています。
  • すること:
    症状が出たら、自己判断せず受診する
    アナフィラキシーでは、じん麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、ゼーゼー・息苦しさなどの呼吸器症状が複数同時にかつ急激に出ます。アナフィラキシーショックになると血圧が下がり意識レベルが低下して、生命にかかわることがあります。
  • しないこと:
    症状が出たからと、自分で除去を始めない
    支援ガイドは、必ず医師の診断に基づいて進めるとしています。診断がついたあとも、除去するのは診断された食品だけです。ほかの食品まで一緒に止める必要はありません。どこまで止めるかは、医師に決めてもらいます。

「遅らせない」と「早く食べさせる」は別の話

日本小児アレルギー学会は2017年に、鶏卵について提言を出しました。 アトピー性皮膚炎にかかった乳児では、鶏卵の摂取が遅いほど 鶏卵アレルギーを発症するリスクが高まるという根拠に基づき、 医師の管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨する、 というものです。

条件がいくつも付いています。 対象はアトピー性皮膚炎にかかった乳児で、摂取を始める前に皮膚炎を寛解させることが望ましいとされ、 乳児期早期に発症した例、特に重症例では専門医の診療を受けることが推奨されています。

そして学会は、「すでに鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に安易に鶏卵摂取を促すことは きわめて危険である」と明記しています。 この提言は医療関係者が臨床的な判断材料とすることを想定したもので、 保護者が自分で実行する手順ではありません。

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  • 何を何日に初めて与えたかを書きとめておくと、症状が出たときに医師に伝えられます。
  • 月齢ごとの進め方が載った本があると、次に何を足すかを迷わずに決められます。
  • アレルギーの情報は改訂で変わります。小児科医が書いた新しい版かを確かめます。

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この項目の根拠
  • 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版・こども家庭庁・PDF)(新しいタブで開きます)
    食物アレルギーの発症を心配して離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことから、生後5〜6か月頃から離乳を始めるように情報提供を行うこと。食物アレルギーの発症リスクに影響する因子として遺伝的素因、皮膚バリア機能の低下、秋冬生まれ、特定の食物の摂取開始時期の遅れが指摘されていること。乳児から幼児早期の主要原因食物は鶏卵、牛乳、小麦の割合が高く、そのほとんどが小学校入学前までに治ることが多いこと。アナフィラキシーが起こった場合、じん麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、ゼーゼー・息苦しさなどの呼吸器症状が複数同時にかつ急激に出現し、特にアナフィラキシーショックが起こった場合は血圧が低下し意識レベルの低下等がみられ生命にかかわることがあること。食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合、自己判断で対応せずに必ず医師の診断に基づいて進めることが必要であること。子どもに湿疹がある場合や既に食物アレルギーの診断がされている場合、または離乳開始後に発症した場合は、基本的には原因食物以外の摂取を遅らせる必要はないが、必ず医師の指示に基づいて行うこと。
  • 鶏卵アレルギー発症予防に関する提言(日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会・PDF)(新しいタブで開きます)
    アトピー性皮膚炎(痒みのある乳児湿疹を含む炎症性の皮膚炎)に罹患した乳児では、鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーを発症するリスクが高まるというエビデンスに基づき、鶏卵アレルギー発症予防を目的として、医師の管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨すること。鶏卵の摂取を開始する前にアトピー性皮膚炎を寛解させることが望ましいこと。乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎、特に重症例では、アレルギー専門医や乳児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの管理に精通している医師による診療を受けることを推奨すること。鶏卵の感作のみを理由とした安易な鶏卵除去を指導することは推奨されないこと。本提言は発症予防のためであり、すでに鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に安易に鶏卵摂取を促すことはきわめて危険であること。本提言は医療関係者が臨床的な判断材料とすることを期待して発表されたものであること。