赤ちゃんとこどもの安全ノート › 4〜6か月

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座らせる器具

お座り練習いす・バスチェアは、まだ早い

多くは6〜7か月から。乗せたまま器具ごと持ち上げない

まだ自分で座れない時期に、体を支えて座らせる器具があります。空気で膨らませるタイプは軽いぶん安定性に乏しく、濡れた床では動いたり倒れたりします。対象月齢は6〜7か月からとするものが一般的で、「まだ座れないから練習させる」は、使ってよい理由になりません。

ベビーチェアの扱い方の比較図。左は浴室で、大人が空気で膨らませたベビーチェアに赤ちゃんを座らせたまま、チェアごと両手で持ち上げていて、赤ちゃんの体が座面から背もたれ側へ抜けて後ろ向きに落ちかけている。下は濡れたタイルの床。右は同じ浴室で、チェアは空のまま床に置かれ、大人が赤ちゃんを両腕で直接抱き上げていて、チェアには手を触れていない 左は危険な例、右は安全な例です。
左:乗せたままチェアごと持ち上げる/右:赤ちゃんだけを抱き上げる
  • しないこと:
    赤ちゃんを乗せたまま、器具ごと持ち上げない
    ベビーチェア、バウンサー、ハイローチェア、クーハン持ち手の付いたカゴ型の簡易な寝床。外出時の移動や昼寝に使われる。モーゼスバスケットとも呼ばれる。のどれも同じです。赤ちゃんを先に降ろしてから、器具を動かします。
  • しないこと:
    対象月齢・体重の下限を下回る時期に使わない
    この種の製品は6〜7か月から2歳頃まで、体重12kgまでとするものが一般的です。この下限は、自分で上体を支えられるようになってから使う設計だという意味で、支えられない時期に支えを足すための数字ではありません。
  • しないこと:
    濡れた床の上で使わない
    空気を入れるタイプは軽くて変形しやすく、水場では動いたり倒れたりします。浴室では、それが溺水につながります。入浴中に手を離す必要が出たら、器具に預けるのではなく、赤ちゃんを連れて浴室を出ます。
  • しないこと:
    傾斜や段差、やわらかい表面の上に置かない
    器具ごと傾いて、座ったまま横に倒れます。使えるようになってからも、平らな床の上だけで使います。
  • しないこと:
    マークのある製品を探して、早く使い始めない
    ベビーチェアにはPSCマーク消費生活用製品安全法で、国が定めた基準を満たさないと販売できない製品に付く義務のマーク。ベビーベッドやライターが対象。のような法律上の安全基準がありません。製品安全協会のSGマーク製品安全協会が定めた安全基準に適合した製品に付く任意のマーク。対象製品の賠償制度もある。は乳幼児用品全般を対象とした任意の制度で、事例の製品と複数の類似品では、その表示も確認できませんでした。基準に適合しているかを外から確かめる手段がないので、対象月齢の下限を下回るうちは使いません。
  • すること:
    落ちて頭を打ったら、意識があっても受診する
    事例の赤ちゃんは、最初の搬送先では眠りがちで、転院した先に着いたときには意識障害がありませんでした。それでも頭蓋骨の骨折と血腫がありました。体に対して頭が大きく重いので、落ちると頭から先に着きます。

何が起きたか(日本小児科学会 傷害速報 No.157)

0歳4か月の赤ちゃんが、浴室で頭を打ちました。 姉の出産のときに支給された、空気で膨らませるベビーチェアを自宅のリビングで毎日使っていて、 この日はじめて浴室で使いました。

母親がシャワーを浴びるあいだ、空の浴槽の中にチェアを置いて座らせていました。 浴び終えて立ち上がり、赤ちゃんを座らせたままチェアごと持ち上げ、 下ろそうとしたときに、約60cmの高さで体が座面から背もたれ側へ抜け、 後ろ向きに浴室のタイルへ落ちました。 急性硬膜外血腫と左頭頂骨骨折でPICUに入り、9日目に退院しています。

委員会は、「ベビーチェアやバウンサー等の育児用品は、こどもを乗せたまま 持ち上げることを想定した設計ではなく、その行為は極めて危険である」としています。

🛍 グッズの選び方

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  • 食事のために座らせたいなら、背もたれを倒せて新生児から使えるいすにします。選び方は「離乳食の開始と窒息」に書きました。
  • 対象月齢と体重の下限を、商品ページで必ず確かめます。「お座りができるようになってから」と書かれたものは、この時期には使えません。
  • どれも、赤ちゃんを乗せたまま持ち上げる使い方は想定されていません。移動させるなら、先に降ろします。

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この項目の根拠
  • 傷害速報 No.157 ベビーチェア誤使用による頭頂骨骨折(日本小児科学会・PDF)(新しいタブで開きます)
    0歳4か月の女児が、姉の出産時に出産・子育て応援事業で支給された塩化ビニル樹脂製のベビーチェアを浴室で初めて使用した際に受傷した事例。母がシャワーを浴びる間、空の浴槽内にベビーチェアを置いて本児を座らせ、浴び終わって立ち上がり、本児を座らせたままベビーチェアを持ち上げ、下ろそうとした際に約60cmの高さで本児の体が座面から背もたれ側へ抜け、後方へ落下して浴室のタイル床に頭部を打撲したこと。左急性硬膜外血腫と頭頂骨骨折でPICUに入室し、X+9日に退院したこと。この種の製品は対象月齢を6〜7か月から2歳頃まで、体重を12kgまでとしているものが一般的であること。空気を入れて膨らませる仕様のため軽量で安定性に乏しく、浴室などの滑りやすい水場で使用した場合には移動や転倒が生じやすく溺水事故につながる危険性があること。国内においてはベビーチェアに対するPSCマークなどの法的な安全基準は存在せず、製品安全協会のSGマーク制度が任意制度として設けられているのみで、本製品や複数の類似品においてSGマークの表示は確認できなかったこと。ベビーチェアやバウンサー等の育児用品は、こどもを乗せたまま持ち上げることを想定した設計ではなく、その行為は極めて危険であること。医療機関ネットワーク事業によると平成29年4月から令和4年3月までの5年間における入院を要した転落事故では乳児(0歳)が最多(24.8%)であったこと。
  • 子どもの転落事故に注意!─住環境や発育・発達に応じた事前の対策を─(消費者庁・PDF)(新しいタブで開きます)
    0歳では「家具等」や「抱っこ・おんぶ等」からの転落の割合が高いこと。ハイチェアなどの乳幼児用製品は取扱説明書に従い身体を保持するベルトを適切に使用し、目の届く範囲で使用すること。平らな床に置くこと、傾斜や段差、柔らかい表面などの場合に椅子ごと転倒して子どもが転落するおそれがあること。