どこからが危険か
揺さぶられっ子症候群は、どれくらいから危険か
泣きやまずイライラしたときに起こる。普通のあやしの揺れでは起こらない
揺さぶられっ子症候群(SBS)は、泣きやまない赤ちゃんを前に、世話をしている人がイライラし、何とか泣きやませようと激しく揺さぶったときに起こります。日本小児科学会が監訳したパンフレットも「特に、子どもが泣きやまないときによく起こります」と書いています。一方、首と体を支えた普通のあやしや寝かしつけの揺れでは起こりません。危険なのは、頭が前後にガクガクと振られる、まったく別の動きです。
左は危険な例、右は安全な例です。
- すること:抱っこでゆらゆら、ゆっくりした縦揺れ・横揺れ
首と体を支えていれば、寝かしつけのこの動きで揺さぶられっ子症候群は起こりません。 - すること:ひざの上でポンポンさせる
日本小児科学会のパンフレットは、こうした通常のあやし行為では脳が頭蓋骨の内側に打ちつけられるような力は発生しないと明記しています。 - しないこと:頭が前後にガクガクと振られる動きをさせない
これが揺さぶられっ子症候群を起こす動きです。目安として、1秒間に2〜3往復以上の揺さぶりを5〜10秒続けると起こるとされています。 - しないこと:泣きやませようとして、肩をつかんで揺すらない
イライラしたときに起きがちです。危険なのは「強さ」より、頭が支えられていない速い往復運動です。 - しないこと:首がすわる前に「高い高い」をしない
「高い高い」で揺さぶられっ子症候群が起こるわけではありませんが、落として頭を打つ事故があるため、しないよう勧められています。 - しないこと:放り投げる、ぐいと押す、揺らしてからベッドに投げ出す、をしない
揺さぶりと組み合わさって重い頭部損傷につながります。
揺さぶられた赤ちゃんに何が起きるか
赤ちゃんは頭が重く、首の筋肉が弱いため、揺さぶられたときに自分の力で頭を支えられません。 その結果、頭蓋骨の内側に脳が何度も打ち付けられ、脳の周りや脳の中に出血が起こります。
現れる症状は次のとおりで、揺さぶった直後に出るとはかぎりません。
- 元気がなくなる/機嫌が悪くなる
- 傾眠傾向(すぐに眠ってしまう状態)
- 嘔吐(ウイルス感染による嘔吐症と間違われやすい)
- けいれん
- 呼吸困難
- 意識障害(呼んでも応えない)
- 昏睡(強く刺激しても目を覚まさない状態)
症状が軽い場合は、「カンの強い子ども」「食の細い子」「むずがる子ども」と見間違われるほど似ています。 揺さぶった心当たりを伝えないと、医師は別の病気を疑い、診断が遅れます。 受診するときは、何があったかを医師にそのまま伝えてください。
泣きやまなくて、自分が限界だと感じたら
次の対処は、公的な資料ですすめられているものです。
- 深呼吸をして10数える
- 柵付きのベビーベッドなど安全な場所に赤ちゃんをあおむけに寝かせ、部屋を出て、ひとりで泣かせておく(5〜10分ごとに呼吸を確認する)
- 親しい人に電話をかける/かかりつけの小児科医に電話する
赤ちゃんを預ける人(祖父母、上のきょうだい、一時保育、近所の人)にも、 揺さぶりの危険を知っているか必ず確認してください。
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- 泣きやまない原因が睡眠にあることも多いので、寝かしつけの本も合わせて挙げます。
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この項目の根拠
- 赤ちゃんを揺さぶらないで ─ 乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)を予防しましょう(日本小児科学会 監訳・PDF)(新しいタブで開きます)
赤ちゃんの機嫌が悪くてぐずるときにイライラしたり腹を立てたりして激しく揺さぶってしまうことで発生すること、「特に、子どもが泣きやまないときによく起こります」という記述、養育者が自制心を失って何とか泣きやませようとして揺さぶるという経緯。「高い、高い」やひざの上でピョンピョンさせる通常のあやし行為ではSBSは起こらない(脳が頭蓋骨の内側に打ちつけられる力が発生しないため)。ただし落下の危険があるため「高い高い」はしない。赤ちゃんは頭が重く頸の筋肉が弱いため頭を支えられず、頭蓋骨の内側に脳が打ち付けられるという仕組み。症状の一覧と、軽症例がカンの強い子・むずがる子と見間違われること。泣きやまないときの具体的な対処手順。 - 赤ちゃんが泣いて困ったら(新潟市)(新しいタブで開きます)
1秒間に2〜3往復以上の揺さぶりを5〜10秒続けると起こると考えられる、という目安。 - 赤ちゃんを守るために知っておきたい「乳幼児揺さぶられ症候群」とは?(福山市)(新しいタブで開きます)
危険なのは頭が前後に激しく揺さぶられる状態で、首や体を支えた横向き抱っこで揺らすなどの通常のあやしでは揺さぶられっ子症候群にはならない。